脳男

上映から1ヵ月半くらい経っての視聴。いやいや何なのこのエグい!後味悪い!面白い!の三拍子。実に刺激的で観た後良い意味で心に傷跡を残してくれました。
始まって初っ端の顔をバイスで締め付けて舌を切り落とすシーンでこの映画のエグい演出に対する天井を見失う自分。「この映画どこまでやるの?」という疑問を持ちながら観る展開には手に汗握りました。ストレートに銃で撃たれたりするより、恐怖を煽られての展開の方がグロくなくても心にストレスを与えるわけで。それ以外にも江口洋介演じる茶屋の新米相棒広野は2度死に掛けてからの茶屋の前での拘束爆死。いやいや、基本2度死なずに生き残る悪運の強さある奴は何とか生き残るだろーっていう甘い希望的観測すらも簡単に打ち砕く。
そして極めつけは松雪泰子演じる鷲谷真梨子と志村の関係なんかもうね・・・。自分の弟を殺した志村を精神科医としてカウンセリングして社会復帰させたと思ったらまた同じ事をやらかしていたとは・・・。中盤そのカウンセリングから社会復帰までの流れが良い話風な感じで脳男である生田斗真演じる鈴木一郎(入陶大威)にも影響を与える要素だっただけに絶望感が凄い。
脳男自身に関してはあまり解決したと思えるところが無いといえば酷い終わり方に聞こえるけど、この作品に関してはそういう終わり方だったからこそ良かったと思えるのは脳男がダークヒーロー的扱いだったからか。原作は続編『指し手の顔 脳男2』っていうのがあるみたいだけど、映画化されるんだろうか?されたら間違いなく観るだろうな。


評価:★★★★★

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