瀬戸内寂聴訳 源氏物語 2巻

1巻とは違い、2週間程で読了。それだけのめり込む事ができる内容でした。

今までの中でも長編である「葵」「賢木」の2つがあっただけに1巻と比べて内容が濃いものでした。というのも、先日自分も観に行った『源氏物語 千年の謎』の佳境部分でもある、六条の御息所の生霊化、葵の上の死、藤壺の宮の出家といった今までの登場人物の盛り上がり部分がかなり詰め込まれているからなわけで。そして、源氏の朧月夜との密会が右大臣や大后にバレてしまう展開は今後の源氏の立場を危ぶめる要素なので今後が楽しみ。1巻に関しては源氏の女性に対する執念が読んで取れたわけですが、2巻に関してはその執念が悪い方向に転がってばかりいる内容のように思えました。特に藤壺の宮出家に関しては。源氏の義理の母親である藤壺の宮に対する恋心と、その源氏と交わり子を授かってしまいそれを誰にも悟られずに生きていく為に思い悩む藤壺の宮、どちらに感情移入してしまうかって言われたら明らかに後者なわけでして。

しかし、将来、あざむいた父帝と同じ立場に源氏自身が立たされるなど、この時点で誰が予想出来よう。

因果応報展開が待ち受けてるんですか。2巻でかなり好感度落としてる源氏は今後どうなってしまうのか楽しみでなりません。


あと個人的に六条の御息所は嫌いになれません。『源氏物語 千年の謎』では無かった場面ですが、葵の上との車の争いや源氏の態度を含め、客観的に見ても心理的には割りと全うだと思いますし。ただ、ヤンデレ属性が強すぎて生霊化しちゃったというだけで・・・ね。