大図書館の羊飼い overture

体験版8周目に突入している自分にとっては声の脳内再生余裕でした。著者が違い、スーパープレリュードで掲載されていた玉藻編があまりぱっとしなかったのでどうかなぁって不安がありましたが、それほど不満も無く。本編前の話としては大方アリ。著者である田尾典丈氏が体験版やったんだなぁと思える部分がちらほらと。正直、スーパープレリュードには千莉編か佳奈編載せた方が印象良かったんじゃないかと思ったり。以下、それぞれのストーリーについて。

白崎つぐみ編

つぐみが本の内容を元に行動したら・・・という出来事。体験版をプレイした自分としても「つぐみらしいな」と思える展開で受け入れられた内容。筧や望月生徒会長もちらっと登場するし、本編前でありながら登場人物とすれ違う描写が入っているのは好印象。

長年抱えてきた不安や心配、そういった負の感情を一掃するような幸運とも言えるその『嬉しいこと』。しかし、それはひとつの『困ったこと』をも白崎に背負わせた。

っていうのが本編のストーリーに関わる内容なんだろうけど、果たして。

桜庭玉藻編

うん、1番書くべき事が無いような話。玉藻の花粉症をキッカケにつぐみが玉藻を知っていく話で最終的に玉藻の隠れた趣味である少女漫画に行き着くと。っていうか、玉藻の花粉症設定って必要なのか?本編としては玉藻自身があまりよく思っていない家柄関係が主になってくると予想。

御園千莉編

千莉が入学前から独り暮らしを始め、ひょんなことからつぐみと出会う前から繋がりがありましたという話。本編前の話でありながら、実は登場人物と関わっていたというのが上手い具合に違和感無く読める話であり、内容としては佳奈編との2トップであるわけで。まだこの時点では歌に関して思うところは無かったと思っていいのだろうか?

鈴木佳奈編

佳奈が第一食堂アプリオで働くキッカケ、読書が趣味というところから筧とのちょっとした繋がりがあったという話。前者は本編補足になり、後者は主人公との関わり、自分が鈴木佳奈スキーであることもあって中々好印象の内容でした。

鈴木は将来の夢が、このアプリオと重なった。

体験版では文系・理系どちらに進むかすら迷っていた佳奈に将来の夢があったのか、と意外に思ったり。まぁ本編の伏線としては友人達のいざこざでもやもやしてしまう佳奈の人付き合いとかそういった方面が本編では大きく関わって来そうなものだけど。佳奈は携帯電話が壊れて持っていなかったのではなく、今まで持っていなかったってのがFAなんだろうね。

小太刀凪編

春休みにひょんなことから入学前の佳奈を凪が道案内するという話。それに関しては良いんだけど、佳奈とはその春休み中の出会いがあって自己紹介をしたにも関わらず、上記の佳奈が入学後の佳奈編での遭遇、本編なんかは初対面の雰囲気だったのに違和感が。まぁ凪編が順番的に1番最後だったから設定のズレがあっても仕方ないか。
凪編に関しては伏線とかまったく書かれていない印象。やっぱり凪は色々と本編でないと語れない部分が多いってことなんだろうな。

まとめ

気になる部分はありつつも、それぞれの登場人物のキャラはしっかりと原作通りで違和感無し。本編をプレイする上では必要無いにしても、読むと『大図書館の羊飼い』という世界観に少しだけ広くなる感じがします。べっかんこう氏の挿絵が"ああいう"描き方なのは本編より過去の話だからだという解釈をしておきます。