大図書館の羊飼い Dreaming Sheep 『二人のための原稿用紙』(鈴木佳奈アフター)

「ほんと似たもの同士ですね」

前作から似たもの同士であった京太郎と佳奈が同棲し、ひょんなことからお互い気を遣って「このままじゃいけないんじゃないか・・・」という壁に当たる話。全ヒロインの中で1番重いストーリーだったんじゃないですかね?しかしこの状況、ぶっちゃけマリッジブルーにも思えて他のヒロインよりワンランク上での障害を乗り越えたという風にも思えるわけで。今作がファンディスクな位置付けなだけに解釈する順序によって変わってくるかもしれませんが"京太郎と佳奈の関係を掘り下げるストーリー"ではあったんですが、"佳奈の株を上げるストーリー"では無かったなかなぁと思います。前者と後者どちらを期待していたかによって評価が分かれそうなストーリーでした。

「私の見立てでは、二人とも孤独な方が面白いことができるタイプです
いますよね、結婚した途端につまらなくなる芸人とか
ここはぜひ孤独に戻って、もっと私を楽しませてください」

嬉野さんのこの言葉にはドキっとした(笑) 正直前作の京太郎と佳奈の魅力って人に対する絶妙な距離の作り方にあると思っていた自分にとって佳奈関係のストーリーに関しては付き合う前までが1番面白かった気がしていたので。京太郎と佳奈の心理的探り合い、そういうのを嬉野さんも楽しんでいたのかな・・・と。
しかしこのストーリー、上記にもあるようにマリッジブルーを解消するような内容だったので「これで本当に終わりなんだなぁ」と感傷に浸ってしまいました。