ソロモンの偽証 

宮部みゆき原作の映画。10年くらい前何かのキッカケで『模倣犯』を読み、その流れで『誰か』『ブレイブ・ストーリー』『レベル7』など色々宮部みゆき作品読み漁っていた時期があり、今回原作未読ですが気になり視聴。そういえば、『模倣犯』って映画があったような・・・うっ!頭がっ!

柏木卓也の死をキッカケに動き出す本作。警察は自殺と断定するも、差出人不明の告発状から犯人と疑われる者やその告発状を破り捨てたと疑いを掛けられる者がメディアを通して批判される。そんな中、柏木が生きていた頃にいじめを見て見ぬふりをしたことで「口先だけの偽善者」と批判された藤野涼子を中心とした数名が一向に真実を明かされない現状を打破する為に校内裁判をしようとするまでが前篇の内容。告発状を書いたと思われる三宅樹里の話は本当なのか?それとも大出俊次は柏木を殺していないのか?それとも別に真実はあるのか?等々後篇が気になる内容が多い展開でした。

ミステリーってそういうもんだろって言ってしまえばそれまでなんですが、宮部みゆき先生の作品って死んでいなくなった人がキッカケになるだけじゃなく、その死んだ人が生前関わった登場人物の行動の原動力になっている描写が丁寧に描かれている印象なんですよね。今回柏木が生前「口先だけの偽善者」と言った藤野、神原和彦。「嘘の無い生き方」を説かれた野田健一がそれに当てはまります。

全体的に重い内容なんですが、その中で松重豊演じる北尾先生の行動には"良い大人"という希望の光が見えました。「あぁ、悪い大人ばっかりじゃなくて良い大人もいるんだな」と(笑)

次回の後篇でどんな真実が明かされるのか楽しみでなりません。




評価:★★★★☆

公式ページ:http://solomon-movie.jp/