白ゆき姫殺人事件

映画でよく番宣をやっていたので観てみました。いやー面白かった!恐らく自分の中で今年トップの映画になり得るんじゃないかと。原作は『告白』で知られる湊かなえ、監督は『ゴールデンスランバー』の中村義洋TwitterやTV番組を活用したやり取り、展開がかなりリアルでした。TV番組のカベミミッ!はフィクションとしての作り物っぽさが全然無く、普通にTV番組としてあってもおかしくないクオリティ。「こうすれば視聴者が興味を持つだろう」という露骨な演出っぷりが特にリアルでした。何か凄く夕方6時とかにやってそう(笑)
物語は長野県で起きた殺人事件のタレコミを綾野剛演じる冴えない映像ディレクター赤星が知り合いから聞いてその内容をTwitterに晒しながら取材していき、事件の核心に迫っていくようないないような・・・という内容。赤星が取材する人物の話の食い違い、赤星の都合のいい編集、それによって引っ掻き回される白ゆき姫殺人事件。赤星のキャラがキャラだけに展開に任せて観るのではなく、自分でも推測しながら観るのが面白いんじゃないかと。取材されている人の話がそのまま映像化されるので、誰と誰の言っていることが違う!ってのも分かりやすかったですし。ちなみに自分は典子のパートナーである狩野と美姫のパートナーの満島の話で「そう言ってくれるのはあなただけよ」って言われている人物が違った時点で犯人が何となく分かってしまった訳で。
自分から見る相手、相手から見る自分、解釈の仕方や自分の都合の良いように記憶を捻じ曲げていたりと人間の自分勝手さが至るところで見られるこの映画は自分は大好きだなぁと。それでいて観終わった時も割とすっきりしているのが更に良い。
ネットでの匿名の誹謗中傷だけならまだしも、マスコミの暴走っぷりまでやってくれるとは。予想以上に面白い映画でした。

評価:★★★★★
公式ページ:http://shirayuki-movie.jp.s3-website-ap-northeast-1.amazonaws.com/